車のエンジンにはラジエターと呼ばれるものがあります。
その役割とエンジンを冷却することのメリットなどをご紹介します。
車のラジエターとは?
車のラジエターとは何でしょうか。ラジエターとは、エンジン冷却装置のことを言います。
風当たりがとても良い車の前の部分、ラジエターグリルと呼ばれる箇所のすぐ後に設置されているものです。
ラジエターの多くは水でエンジンを冷やしていますが、その水を空気で冷やす必要があります。なので、風当たりが良いところに位置しています。
ですが、車の中にはグリルレスというラジエターグリルがない車もあります。ラジエターグリルがなくても、なぜきちんとラジエターを冷却できるのでしょうか。
実は、ラジエターグリルがない車もフロントバンパーやそのバンパーの下側に大きな穴が開いていて、そこから吸い込んだ風でラジエターを冷やしています。
フロントバンパーやそのバンパーの下側は、とても風が入りにくく見えるかもしれません。しかし、走ってる車が空気の壁を切り裂いてゆく時、その箇所が一番圧力が高くなっていて、効率よく空気を取り入れることができます。
エンジンを冷却するということはエネルギー損失という弊害があります。冷却損失と呼ばれるものです。
その損失は全エネルギーの2割から3割と言われています。
しかし、そのような損失しかないかというと、必ずしもそうではありません。
エンジン冷却をするということは実は、エンジンパワーを上げるためにも非常に重要な役割を果たしています。
例えば、エンジンがものすごく熱くなったところで、混合気が入ってきたとします。すると、空気は熱で膨張しますので、吸気行程の間にシリンダー内へ入る混合気は薄まって馬力が出ません。
なので、馬力という点からすると、エンジンは冷やすのが良いと言えます。
といっても、やみくもにエンジンを冷やすことも良くないので、効率的に冷やすことがとても大事です。
ではどこを冷やすべきなのでしょうか。まずなんといっても、燃焼室の周りを十分に冷やすということが大切です。
燃焼室が冷えれば適度な濃度の混合気がたっぷりと入ってます。その上燃焼室に入った混合気が余計な熱を持たずノッキングが起きにくくなり、エンジンの圧縮比を高くすることができます。
空冷式のエンジンとは?
エンジンは普通水で冷やしています。でも、空冷式のエンジンもあります。
空冷式とは何でしょうか。その名の通り空気で直接エンジンを冷やすことを空冷式エンジンと言います。
空冷式エンジンは、走行している際に発生する風を当てて冷却する自然空冷式、そして送風ファンと呼ばれる装置で強制的に風を当てて冷却する強制空冷式の2種類があります。
エンジンを水で冷やし、その水をさらに空気で冷やすという水冷式の二段構の水冷式エンジンの方が、直接空気でエンジンを冷やす空冷式の方よりも効率が良いといえます。
しかしそれでも空冷式エンジンにこだわってきた名車があります。その1つはポルシェです。ですが、ポルシェも1998年をもって空冷式のエンジンに幕を閉じました。
コメント