自動車のエンジンはガソリンを完全に燃やしても、そのすべてが力になっているわけではありません。燃やしたガソリンから得られるエネルギーのすべてが有効に使えるならば、確かに熱効率は100%になります。
ですが、そう上手くはいかないのが現実です。
実はエンジンの燃焼時に、一部のガソリンがエネルギーに変換されずに無駄に失われています。もし、それらを解消できるならエンジンはもっと燃焼率を上げることができ燃費は良くなりますが、その原因を解消するのはかなり難しいでしょう。
では、何が損失の原因となっているのでしょうか?
ガソリンを完全にエネルギー変換できないのは?
自動車のガソリンを完全にエネルギーにするにはどうしたら良いのでしょうか?燃えたガソリンをすべてピストンを押す力に変換されれば、完全にエネルギー化されます。
ですが、もしシリンダーから熱を逃さないと、燃焼室がとてつもなく熱くなってしまいます。そうしますと、シリンダーもピストンの部分も溶けて無くなってしまいます。
そういうことがないようにするために、シリンダーの周りに水を張り巡らしてエンジンを冷やしています。
エンジンを冷却をすることによって、実にエネルギーの28%が失われています。
これよりももっと多く損失しているものがあります。それは、排気ガスを捨てることです。
排気ガスを捨てるなんて当たり前ではないか!と思う人もいるかもしれません。
でも、実はこれはかなりのエネルギーの損失になっています。その数字は32%にも達すると言われています。
金属同士の摩耗によってもエネルギーは失われている
自動車のエンジンの燃焼効率を上げたいなら、ガソリンを燃やすことによってエられたエネルギーがどこかで失われているということに着目する必要があります。
失われているものの1つに、金属同士の摩耗を挙げることができます。
さらに、排気口の一部を塞いだり、またアクセルが全開でないとピストンが吸気を吸い込もうとしていてもスムーズに入ってこないという吸気の入りにくさもエネルギー損失になります。
この損失のことを何というのでしょうか?
ポンピング損失と言います。例えば、注射器の先を指などで完全に塞いでしまうとどうなるでしょうか?ピストンを引くということができなくなってしまいますよね。それと同じ原理です。
これを解決するには、アクセルを出来るだけ全開にすることです。
しかし、そうなりますとエンジンでは空気が入った分だけガソリンも使うことになりますから、燃焼に悪影響が及びます。
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